こんにちは、renの広報です。私たちは、2025年7月に「株式会社クオーターバック」から「株式会社ren」へと社名を変更しました。社名変更は、所属する全メンバーが関わる全社プロジェクトとして実施。日頃の業務と並行しながら進めていきました。今回のインタビューでは、代表取締役の山田、取締役の大島・塚本が、社名変更に至った背景、プロジェクトを進める中で得た気づきや学びについて語ってもらいました。組織全体で大きなプロジェクトを動かした時、一体どんな景色が見えるのか。社名変更の予定がある方も無い方も、楽しんでいただける内容となっております!記事は、前編・中編・後編の全3編です。せひ、ご一読ください!

大事な情報でも、すんなりと届いてはくれない
-印象的だったことは?
大島) 社名変更プロジェクトの統括として答えると、なるべくプロセスを開示したと思うし、情報共有もマメにしていたつもり。30人規模の組織ではあるけれど、中心部の熱くなっている部分から外側に向かって、情報の伝わり具合にはグラデーションがあったと思う。単純な事務連絡すら伝わっていないこともあった。情報の繋ぎに関しては、もっと丁寧にやった方がよかったなと感じました。散らばっている情報を自主的にキャッチアップしてくれている人を見ると、知らず知らずに「みんなそうかな」と思い込んでしまう。もちろんそうじゃない人もいるわけで、視線が及ばなかったという反省がある。
塚本) 「共有を頑張ってします!」と全体に伝えたら、「みんな見てくれるだろう」と思いがちだけど、必ずしもそうではないですからね。
大島) 「俺言ったけどな…」と思うことに対しても、「初耳です。聞いてないです。」みたいな反応もあったりして。もやもやすることもあったけど、相手のせいにしたって意味がない。
塚本) 社名変更プロジェクトを進めるにあたっては、ものすごい情報量だったので、尚更情報を出す方も受け取る方も大変だったと思います。それに、テキストコミュニケーションの捉え方一つでも全然違う印象になることもあるじゃないですか。忙しくなって自分が追い込まれてくると、「わかってくれていると思ったのに、なんで!?」みたいになってしまう時もありますよね。
大島) 「私聞いてないです」とか「情報伝わりきってないです」みたいなフィードバックがあることで、その人たちの存在に気づくことができる。そしたら、「彼・彼女に伝わりやすくするにはどうするか」と対策を練って、それをやればいい。無反応、無関心が一番虚しい。みんなでプロジェクトを進める中で、色んな声をあげてくれるメンバーがたくさんいるのはいいことだなと思う。
塚本) そういった面でも、一人ひとりが活躍していたと感じますね。
大島) 自分もそうだけど、苦手な部分って誰にでもある。忙しければ余裕もなくなる。そんな時に、得意な人が引き取ってくれるとか、声をかけてくれるとか、特定の誰かではなく、みんなが自然とそうした動きをしていたのは本当にすごいことだと思う。誰が取りに行ってもいいボールは、みんな取りに行こうとするし。このプロジェクトを通して、メンバーそれぞれの人柄や個性、得意分野の解像度が増したとも思うな。

社名変更は、壮大な研修?
-社名変更プロジェクト通して得られたことは?
大島) ちょっとね、それがわかんないだよなあ。
山田) これからじゃない?それこそ、まだスタート地点。社名を変えた直後に利益が爆増するんだったら、それはわかりやすい効果だけどそういうものじゃない。でも、ロングレンジで見たときに得られるものは多いと思う。近距離で言えば、大きなプロジェクトをみんなで動かす経験値が手に入ったのは大きい。

塚本) 社名変更の目的自体が、会社が今やっていること、大事にしてることを伝わりやすくすることだった。新しいサイトを色んな人が見てくれていたことは嬉しかったし、社名変更を喜んでくれる、祝ってくれる人がたくさんいたことにはびっくりした。今までrenを応援してくれていた人が一緒に喜んでくれるのはありがたい。「らしい、名前になったね。らしい、サイトになったね。」との声を多くいただけて感動した。自分達なりに、自分達らしさを理解して表現しているつもりだったけど、周りもそう思っていてくれたというのが再認識できた。
山田) 確かに、「おめでとうございます」とたくさん言われた。
塚本) 「社名変更ってめでたいんや」ってそこで気づいたよ(笑)。
大島) 付き合いの長いお客さんからは、「今、変えるんですね」という反応もあった。長い間継続している案件だと、その側面から見るrenのことしかわからないだろうし、もっと自社のことを伝えていかないとと感じましたね。会社が移転したり、制作会社から派生して違う領域を手掛け始めたことだったり、僕たちのチャレンジを追ってくれている人も一定いて、「めっちゃ面白いですね」と声をかけてくれるのは嬉しい。そうした人たちからは、「ついに名前を変えたんですね!いいですね!」といった反応をもらえました。
山田) 理念を体現をする場所としてSNAPが誕生して、社名も変わってという一連の流れを見守ってくれている方々からは、「ますます勢いが増しますね」とも言ってもらえた。「名前が変わっただけだけどなあ」と自分では思っていたけど、見え方は全然違うんだね。まあ、これからだ。
塚本) そうですね。これから。
大島) 社内の他のメンバーはどう感じたんだろう。
塚本) クオーターバック、ren、それぞれの会社について考えるきっかけになったと思いますね。
山田) 社名変更のプロセスが、壮大な研修みたいだったかもしれない。
大島) なるほど、社名変更自体が、インナーブランディングとしての取り組みだったということですね。だから、社名が変わったという結果だけじゃなく、その過程で得られた個々の気づきや学びは会社としても大きな資産なわけだ。
山田) そうね。社名変更はほぼ1年がかりのプロジェクトだったわけだから、1年近く会社について考えていたことになる。自然とそうした時間がつくれたのはいいよね。
社名変更は、つながりの力の再確認
大島) 社名決定に中心的に関わった6人の中ですら、しっくりきている、きていないの違いがあったから新社名を社内に発表するときは、結構ドキドキしました。でも、発表してみたら、「しっくりきます」みたいな反応が多かった。会社が変わっていくことに対して、長くいる社員も最近入った社員も含めて、前向きに受け入れてくれたのは嬉しかった。
塚本) VIのトーンだって、落ち着いた緑から元気なオレンジにガラッと変わった。そこに対しても、みんなしっくりきている印象でしたもんね。
山田) 数年前、ロゴをリニューアルした時はハレーションを起こしてしまったけど、そこから学んで、今回は思ったよりうまくできた。「今回のプロジェクトを経て何かが明確に変わった、得られた」というよりは、これまで積み上げてきたカルチャーや成果を実感できた感じ。
塚本) 5年前に「つながりのデザイン」という新しい理念を発表した時や、3年前にロゴをリニューアルした時と比べて、自分達の変化量を感じることもできたと思う。
山田) Slack含め社内のコミュニケーションを通してジリジリ積み上げてきたカルチャーのおかげで、今回みたいな大きなプロジェクトの進め方もうまくなった。元々僕らは、ツール制作に強みがあったけれど、ツール制作にとどまらない複数のプロジェクトを同時進行するスキルを身につけることもできた。階段をのぼるように、着実に成長している感じがする。先が読めない世の中において、これからのビジネスって目の前の課題に対して明確なお薬を提示して治すってわけではないと思うんだよね。体質改善みたいになっていくと思っていて、つまりは組織づくりなんだと思う。今回のプロジェクトだって、長い時間積み上げてきた組織の体質改善のおかげで、気持ちよく完遂できたんじゃないかな。
-あらためて、社名変更はどんな体験でしたか
山田) 社名変更自体は、そこまで何もないというか。2階まで上がりたいとして、まず1段目を踏み出した感じ。成長という長い道のりの一歩でしかない。でも、「協力の力ってすげえ」って再確認することができた。
大島) つながりの力の再確認だったと思う。組織として、みんなで力を合わせて一つのことをなす。僕らは「関係性を出発地点としてアプローチしましょう」とことあるごとに伝えているけれど、つながりの持つ力や、意味、意義、得られるものが何かを改めて確認することができた。何年か経った後にその地点から振り返って、違う意義を見出すかもしれないけどね。
塚本) 大島さんとかぶっちゃったから違うこと言いたいなと思ったけど、やっぱ確認だろうなと思いました(笑)。これまでの自分達が積み上げてきたもの、今の自分達にできることの確認。
山田) ある種、「今の自分達だったらこれぐらいできそう」みたいな感覚はあったから、達成感や驚きはあまりないのかもしれないね。「組織の力とクオリティ、個々の力とクオリティだったらこれくらいできるだろう。よし、できた。もっといこう!」みたいな。
塚本) 長い時間かけて積み上げてきたものや変化してきたものって感じにくい。だからこそ、今回の社名変更のように定点観測する機会は大事なんだと思う。サイトのコンテンツにもしたけど、クオーターバックや中島さんの歴史を振り返ることで発見もあった。会社の歴史って普段聞けない、振り返らないからこそ、改めて立ち止まることも必要よね。

山田) 会社の大きな変更を行う際は、一度ルーツに立ち戻るというのはあるよね。例えば、社史をつくることだって、完成させること以上に、つくる過程で会社の歴史や登場する人たちの思想に触れて、咀嚼することが大切な体験だと思う。そういう意味では、たかが社名変更、されど社名変更という感じがするな。
塚本) そうね。だからこそ、スタートする時点で、「VIやサイトはそのままに社名だけ変える」は絶対にしないと決めていたからね。会社にとって大きな変化だから、どうせ変えるならとことん機会として生かそうと。
大島) 社名を選ぶ際に、「この候補は自分達らしいかどうか」と考えるけど、その中で「自分達らしさってなんだ?」と何度も振り返ることになる。
もう一つ、ルーツという話が出たけれど、会社にはいろんな経緯を持った、いろんな人がいますよね。うちの会社には今30人所属していて、それぞれに会社との歴史があるじゃない。その人にとっては、入社した時からその会社の歴史がスタートしてるんだけど、ルーツに立ち戻ることで「自分が今所属してる組織、普段働いてる場所が、どういう経緯で成り立ってきたのか。今後どうなっていくのか」に対して、思いを馳せることができる。そういう意味で、社名変更っていうのは、できるだけ多くの人が関われてた方がいいと思うし、30人規模なら尚更だと思います。
山田) renが80人規模だったらまた違うだろうね。ブランディング的な観点でいくと、積み上げてきた文化があったから、社員みんなでできたと思うんだ。何の組織文化も育っていない状態で、ただ分担してやるだけではそんなにうまくいかないかもしれない。
大島) 組織の規模感によって実行の仕方は変わりますよね。でも、社名という所属する以上誰もが触れるものに対して、分担した結果ハレーションどころか、全く興味関心をもたない人が生まれてしまうくらいなら、100人なら100人なりの、1,000人なら1,000人なりの社名変更のあり方を探求したいなと思う。僕らは、あくまで30人でやる場合のベストなかたちを模索してやってみたに過ぎない。
塚本) 僕らには、「つながりのデザイン」がある。数が増えようがそこはブレない。「つながりのデザイン」と考えた時に、どんなプロセスがいいか。そう考えるだけ。シンプルですよ。
大島) この規模でも、プロジェクトごと、部門ごとにメンバーが活躍しているわけで、どんな要因から会社に対する帰属意識を得ているかは気になるところ。
今回のような体験は、「renという会社に所属してる私」っていう視点で見つめ直す機会にもなったかもしれない。社名が変わると、どうしても自分の会社のことを語り直さないといけないでしょ。その語り直しの中に、自分が何かこう思いを寄せて語れることが多ければ多いほどいいよね。
「社名変更まわりのタスクがめちゃくちゃ大変だったんです!」という声があったとして、これも1つの体験で、自分なりの語り。苦労でも喜びでもなんでもいい。「全く関係ないところで、全然自分の思い入れもない社名になりました」だとすこし寂しい。もしかしたら、「所属している組織の名前が大きく変わるのに、全然そこに自分の語るポイントがない」みたいなのが、避けなきゃいけないことなのかもしれない。これはあくまで、うちが「つながりのデザイン」を掲げているからこその視点だけれど。
塚本) 社名変更は、結構いいプロジェクトだったと思っていて、これ以上のいい状態を思い描けない。でも、まだ活かせていないつながりの力があるかもしれないし、もっとよくできる部分はあると思う。
つながりのデザインの実践と探求は続く
-社名変更をきっかけに、やっていきたいことはありますか
塚本) renに変わる前からやっていることと変わらない。
山田) 理念が変わったのではなく、社名が変わっただけだからやっていくことは変わらない。
つながりのデザインの実践と探求。
大島) 不思議なもので、社名が決まる前から自社らしさは固まっていたじゃないですか。ブランドパーソナリティだってすでにあったし、文化もある。SNAPもある。社名より前に定まっている自社らしさが充満していた。

塚本) 組織によって順番の違いはあると思います。うちは、できるところから”らしさ”をかたちにしてきて、最終的に社名が残った。”らしさ”が全然見えていない状態からかたちにしないといけないから、最初から社名のように大きなところから取り掛かるのは大変やと思います。
うちで言う「つながりのデザイン」みたいなコンセプトさえ先にあれば、後の順番は状況に合わせてでいいんじゃないかな。
大島) そうかもしれないね。迷ったときは、コンセプトが頼りになる。
塚本) 例えば、うちの場合はコンセプトを定めて、次に着手したのは採用でしたよね。採用で「つながりのデザイン」と打ち出して、興味を持った人に入ってもらう。そうやって、ちょっとずつ組織の風土をつくっていった。
山田) 冷静に考えたら、社名が変わるって大きな変化じゃん。でも、なんか色々変化をしなきゃいけないっていう激動の時代において、今まで大切にしてきたものとか、不可侵の領域とかもなんらか手を入れなきゃいけないってことはいろんな企業で起こりえる。そんな時に、組織内部でどんなことが起こって、どう進めるといいのか。僕らの体験はあくまでn=1に過ぎないんだけど、何かしらのヒントになったら嬉しいな。

<おまけ:メンバーから見えていた景色>
社名変更について感じたことや気づいたことについて、renのメンバーからもコメントをもらいました。メンバー一人ひとりからは一体どんな景色が見えていたのでしょうか。
・たかいさん(入社29年目)
旧社名は先代社長や仲間との思い出が詰まっていたので、社名変更には正直なところ寂しさもありました。一方で、会社が進むべき道が大きく変わる中で、自分自身にとっても大きな変革のタイミングなのだと感じています。その理由や背景にも納得していますし、過去を大切にしながら、未来へ進むための一歩なのだと思っています。
・なみきさん(入社25年目)
社名のrenは短いので、ハンコやゴム印を作るときにバランスがとりにくかったですね(笑)。社名変更に伴う手続きは想像以上に大変でしたが、生涯で社名変更に関わることはそうないので貴重な経験でした。
・さいとうさん(入社11年目/renのロゴを生み出したデザイナー)
改めて私たちのことについて、ひいては自分のことについて 深く向き合うことになったプロジェクトでした。 たくさんの対話の中でやっとやっと生まれた社名とロゴ、 これからも大きく大きく育て〜! いまはまだすこし背伸びだとしても 一歩ずつ、みんなで未来に歩いてゆける、“おまもりのような存在”になってくれたらいいなと思っています。
・やくしじんさん(入社3年目)
私にとっては、入社約1ヶ月のタイミングでの社名変更pjtスタート。 私は新社名もフラットに受け入れられたものの、社内には「寂しい」声も多くあり、「クオーターバック(QB)」が愛されてきたことを体感し、会社が誇らしくなる出来事でした。
・きべさん(入社2年目/第一フェーズ主要メンバー)
今回のPJでは、社名決定からロゴ・サイト刷新まで携わりました。その中で印象的だったのは新しくなるrenのトーンとはどんなものか?を考え続けたこと。 なんなら終わった今でも考え続けているような(笑)。でもそれは、ひとりでつくるのではなく、ren皆でつくっていくものだと思っています。
・もりいずみさん(入社2年目)
私が入社したのはちょうど社名が決まり、7月1日の変更に向けた準備が始まった頃。驚いたのは、全メンバーが何かしら役目を担っている全員参加のプロジェクト体制。そしてそれぞれに当事者意識があり「みんなでrenになる」という一体感があったことです。そうした一体感に日々触れることが、組織の方向性を何よりも実感させてくれたように思います。