こんにちは、renの広報です。私たちは、2025年7月に「株式会社クオーターバック」から「株式会社ren」へと社名を変更しました。社名変更は、所属する全メンバーが関わる全社プロジェクトとして実施。日頃の業務と並行しながら進めていきました。今回のインタビューでは、代表取締役の山田、取締役の大島・塚本に、社名変更に至った背景、プロジェクトを進める中で得た気づきや学びについて語ってもらいました。組織全体で大きなプロジェクトを動かした時、一体どんな景色が見えるのか。社名変更の予定がある方も無い方も、楽しんでいただける内容となっております!記事は、前編・中編・後編の全3編です。せひ、ご一読ください!

ブランドとしての一貫性をつくる
-社名変更しようと思ったきっかけは?
山田) 社名を変えようと思った一番の理由は、ブランドとしての一貫性をつくるため。
40年以上前、創業者の中島さんは、当時の業界や末端の制作を担う自社の状況を踏まえて、「企画の上流から提案できる司令塔のような会社になろう」という思いを込めて、「クオーターバック」と名付けました。時代が流れて、今の僕らは、司令塔的な動きではなく、小さなリーダーシップをひとりひとりが発揮する方針を打ち出し、「つながりのデザイン」というコンセプトを掲げるようになった。そうなると自ずと、名乗るべきものだって変わってくると思ったんだよね。
大島) ブランディングの観点から、一貫性が大事と話してましたもんね。
山田) そうだね。ビジネスドメイン図として表現したように、僕らはブランドとしての一貫性を大切にしている。でも、言っている本人たちに一貫性がないと気になっちゃうと思うんだ。「おたく、どの口が言ってんの?」みたいに。僕自身、20年以上、「クオーターバックです」と名乗ってきたから愛着はあったよ。でも、「愛着がある=使い続ける」ではないなと。

大島) 2021年に「つながりのデザイン」というコンセプトを策定した段階で、社名とのズレは決定的になったと思う。「クオーターバック」という社名自体、意味ありげに思えるじゃない?例えば、株式会社フューチャーデザインとかであれば、「未来をデザインする会社だろうな」と一定の想像がつくけど「クオーターバックです」って言われると、「どんな意味ですか?アメフトやってたんですか?」とか色々聞きたくなる。誰もやってないけどね(笑)。
山田) 「つながりのデザイン」というコンセプトと社名が連動していない。ブランドの一貫性を大事にしているなかで、実は違和感がずっとあった。
塚本) コンセプトを策定する、それに応じて事業の在り方を変えていく、とアクションを積み重ねてきたなかで、いよいよ社名を変えるタイミングが来たという感じだったんだろうね。
プロセスを見せることで、関わりしろをうむ
-新社名を決めるにあたって心がけたことは?
山田) まずは、クオーターバック時代にロゴをリニューアルした時の反省を活かすこと。ロゴに限らずだけど緊急時でもない限り、大きな決断をする時はハレーションが起きやすい。その背景には、関わりしろの話があると思う。「決めました、これでいきます」だと拒絶を生みやすいし、うちの文化にもマッチしていないよね。うちみたいに、「フラットな関係性で多角的な視点を取り入れながら、複雑な課題を解いていきましょう」というスタイルの会社ならではのプロセス設計があると思っていた。

山田) 考えた末に、今回は、新社名・新VIの決定までを第一フェーズ、様々な事務手続きや作業、コーポレートサイトリニューアルなどを第ニフェーズと大きく区切ることにした。第一フェーズはこの3人に加えて、さらに3人のメンバーに入ってもらって6人でゴリゴリ進めた。第一フェーズ中、大島さんはSlackに備忘録を書きながら、丁寧に情報共有をしていたよね。
大島) プロセスの開示はチャレンジの一つ。完成形で渡されても、受け取った側からすると「なぜ、こうなったのか」がよくわからない。途中経過を知らないことによるハレーションはもったいないし、それを生まずにどこまでできるかはチャレンジだったと思う。とはいえ、毎回30人みんなで話し合うのは得策じゃないし、「大人数で話し合う=内容が濃くなる・納得感がある」とも限らない。プロジェクト全体の進行を考えたときに、まず第一フェーズは主要メンバーを組んで進めるのが吉だと思ったし、だからこそ主要メンバー以外の関わりしろつくる・プロセスを開示するというアクションは心がけたね。

山田) 第一フェーズの座組みは僕ら3人で決めたけど、「やりたい人を募ろう」みたいなアイデアもあったよね。
塚本) これまで、組織のつながりについて考え続けるなかで、チームのバランス感覚みたいなものを見つけてきたのかもしれない。「会社はみんなのものだから、みんなで決める」というのは一見納得しそうな論理ではあるけれど、立ち止まって考えるべきところ。
大島) メンバーのことを信じきれていないと、「やりたい人いる?」と全員に平たく声をかけたくなるのかもしれない。これまで社内で積み上げてきたものを通して、第一フェーズの進め方と人選にあたっては、社内から不満の声があがるという心配はあまりなかった。
山田) それこそ、つながりのややこしい部分というか。みんなでやればいいってもんでもないけど、一部でやればいいってもんでもない。どうやるか、誰とやるかについては迷ったけど、いい形を選べたと思うな。
塚本) 「託してくれそう、応援してくれそう」という安心感はあったもんな。
山田) この記事を読んだ人は、「大事なことを決める時のメンバー選定はどうしたらいいの」ってきっと思うだろうな。でも、それって絶対的な答えがあるのだろうか。熱量が高い人が集まっていた方がいいとは思うけれど。
塚本) どんなプロジェクトにしたいか、どんな文脈があるか、どんな工程があるか。プロジェクトのあり様の話から、特性、スキル、役割といった話もある。メンバー選定のやり方に答えはないと思う。
今は愛せなくても、未来に愛せる可能性があるか
山田) 実は、自分の中で「新社名はグッドリレーションにしよう」と決めていたんだよね。「この世のあらゆるものをグッドリレーション にしていこう」みたいな意味を込めてね。
社名と事業のコミュニケーションコストをできる限り少なくして直接的なものにしたいという思いが強かった。笑い話だけど、電話で、「クオーターバック」って伝えると、「ウォーターバック」と聞き間違えられて「水道関係ですか?」みたいなこともあって。自社を伝えるうえでのコミュニケーションコストをできるだけ減らしたかった。
大島) うちが展開している事業自体わかりやすいものでもないし、さらに社名まで難しいとなるとかなり複雑。相手の記憶にも残りづらい。

山田) 「社名変更しようかな」と考えたら、自然と何にしようかなとなるじゃん。だから、もう自分の中では決まっていたんだよ。
塚本) すぐ先に決めたがる(笑)。先に決めてドンッというのは早いし楽なんだけど、その後の展開を考えると大変やと思うけどね。
大島) 決めるスピードが大事なのか、決まった後に長くみんなで分かち合えるような決まり方がいいのか、状況によって変わる。コロナ禍でのオフィス移転は非常事態下での決断だったから、やまさんが決めたというのはあるけれど、社名変更はそうじゃなかった。
山田) グッドリレーションに決めていたものの、新社名検討のプロセスで変化があった。最初は、「事業を伝えるうえでコミュニケーションコストがかからない方がいい、意味が伝わりやすいほうがいい」って始まったんだけど、途中で、「愛せるかどうか」みたいな視点が出てきた。「カッコつけている名前は愛せそうにない」とか「長い名前は使いづらいかな」とか、対話を進めるなかで、ありたい社名像がちょっとずつ明らかになってきたと思うんだ。最初は、伝えやすさや伝わりやすさを意識した機能的な名前にしようと思っていたけど、だんだん情緒的なものに寄っていった。相当ぐるぐる話し合ったから、全体進行を担当していた大島さんはヒヤヒヤイライラしたかもしれないね(笑)。
大島) そりゃ予定より伸びる可能性はあるなと思っていたので、バッファはつくってましたよ!「ここまで決まらないものなのか」という感覚はあったけれど、それはそれで大事なプロセス。ああでもないこうでもないと時間をかけたことが価値を持つ時もある。スピード感も大事だけど、誰かが語り切れていなかったり、自分の意見に蓋をしたりしているまま進むのは違うと思いました。

山田) 機能的な名前だと例えば、「グッドリレーション」とか「つながり」とか、割と世の中にたくさんあったよね。世の中の人が考え尽くした部分でもあるんだろうな。
塚本) つけやすいというのもあると思う。例えば、Web広告の会社でも「グッドリレーション」と名付けることができる。機能的かつ大きな言葉でくくってしまうと、僕らならではのアプローチが逆に伝わりづらくなってしまうし、他の会社と同じものとして見られてしまうという懸念もあった。決める際の判断軸としては、しっくりくるかどうかも大事だったと思う。
山田) しっくりくるかどうかで言えば、主要メンバー6人のなかでも「ren」に対して、しっくりきていない人はいたと思う。俺だって、しっくりくるまでは時間が必要だと思ったよ。
大島) 印象に残っているのは、「しっくりきていない」と表明したメンバーに対して塚本さんが、「今時点で愛せなくても、これから愛せそうな可能性はある?」と聞いたこと。
塚本) 「愛せる余地が全く無いのだったら違う社名を考えたほうがいいけど、そうじゃないなら信じてみようぜ」と思いました。結構いろいろと考えて、もう考え尽くした段階でもあった。どんな社名がいいかなんて明確な基準はないし、基準を決めたとしても対話するなかで変わることだってある。チームの中で、「考え尽くした。話し尽くした」という実感があるかどうかが大事だなと立ち止まったときに、各々が「時が満ちたな」と思っていたんじゃないかな。
中編に続く