プロジェクトの始まり
「技術ではなく哲学を教える学校」に立ちはだかった、哲学の言語化という壁
ドローイングアンドマニュアルでは、新たな事業としてスクール事業の立ち上げを考えていました。
機材性能やソフトウェアの発達により、多くの人が一定のレベルの映像を作ることができるようになった反面、その映像はすでにある映像を技術で模倣したものに留まることも多く、次第に「ふつうの映像制作者が作ったふつうの映像」が社会にあふれるようになってしまいました。
この状況は、映像制作者にとっても良いことではありません。価格競争を引き起こし、志高くこの業界に入った制作者が仕事を継続できないということにもつながってしまいます。
そこで、ドローイングアンドマニュアルが設定したスクール事業のコンセプトが「技術ではなく、哲学を教える学校」。
しかし講師となる社内の映像ディレクターたちも、自分の映像哲学を言語化したことがありませんでした。
また互いの哲学について知ろうとしても、「社内の関係性」が阻害要因となって、個人の深いところにある思いや考えが引き出しづらいという課題を抱えていました。
renのアプローチ
個人の中に哲学が形成される過程を議論し、100日間の伴走支援型スクール『TILL』が誕生
はじめに、ドローイングアンドマニュアルの社内に散らばる「映像ディレクターたちの哲学」を言語化して、一か所に集めるところからスタートしました。
renの拠点 SNAPにある全面ホワイトボードのセッションルームを使い、ファシリテーターの問いを通じて、一人ひとりの思いや考えを引き出していきます。一人の映像ディレクターにつき90分程度のセッションを、計6人へ実施。部屋の壁面がすべてびっしり埋まるほど情報を引き出し、共通する部分や、個人が大切にしている部分を明らかにしていきました。
そして、「哲学は座学だけで身につくものなのか?」という問いからディスカッションを展開。その結果、一人ひとりのクリエイティブ・コア(ものづくりの哲学)を時間をかけて掘り起こしていく、100日間の伴走支援型スクール『TILL』が誕生しました。



プロジェクトを経て
想定の2倍の受講応募が集まり、定員を増やしてスクールがスタート
受講生募集告知を行ったところ、当初想定していた30名を大きく上回る60名以上からの応募が。セレクションを行うとともに定員を10名増員し、40名の受講生が切磋琢磨しながら学ぶスクールをスタートさせることができました。
プランニングの過程では「スクールの質は講師の質だけでなく、受講生の質も大切だ」という意見が出ていたので、定員を大きく超える希望者の中からセレクションができたのは、理想的な展開となりました。
言語化セッションで高まった社内の熱が企画に伝わり、それが多くの意欲的な映像制作者に届いた結果だと思っています。
また、哲学の言語化を行う過程で、講師役となるディレクター陣のスクール事業へのモチベーションも高まり、プロセスにおいても熱量の高い場づくりに貢献できたと考えています。

