プロジェクトの始まり
なにをつくるか、の前に、なぜやるかを整理する
クライアントである株式会社りんねの玉井さんは、すでに国内外で高い評価を得ているポン菓子ブランド「ひなのや」を運営されていました。評価も高い一方で、完成された既存ブランドの中だけでは新しい挑戦に制約があること、そして、自分たちの手を動かすこと以外の仕組みで利益を生むモデルを模索したいという悩みを抱えていらっしゃいました。
プロジェクト開始時点で決まっていた条件は、地元・愛媛の「はだか麦」を使うこと。
renはこの前提のもと、まずは「何をつくるか」ではなく、「なぜそれを届けるのか」「このブランドが社会でどんな役割を担うのか」という問いを整理し、ブランドの根幹を一緒に探っていくところからスタートしました。
renのアプローチ
チームでブランドの方向性を見つけていく。ChottoTimeが生まれるまで
まず取り組んだのは、愛媛県西条市での地域調査です。実際にはだか麦の他社流通商品を見てまわるなかで、素材としての強みが伝わりにくく、他社の過去の取り組みも大きな成果にはつながっていない現実が見えてきました。
一方で、どこに切り口を置くのかについては、すぐに答えが出たわけではありません。
renが大事にしたのは、
・既存の「ひなのや」と、株式会社りんねのつながり
・新しく立ち上げるブランドと、株式会社りんねのつながり
手がかりとなったのは、玉井さんの「東京に行くと、人ががんばりすぎているように見える」という言葉。そこから、「休憩」を価値として扱うコンセプトが浮かび上がってきました。
コンセプトの方向性が決まったものの、小ロットでの立ち上げという制約から、パッケージにかけられるコストには限りがあり、理想と現実をすり合わせるための細かな調整が続きました。
また、検討事項が多くなる中で、進行のテンポが落ちてしまう場面もありましたが、その都度、状況を整理し、判断の軸を揃え直しながら一歩ずつ進めていきました。
SNAPでの合宿と、土壇場での転換
大きな転換点は、販売会に向けて仕上げを行う段階で開催した、renの拠点SNAPでの合宿ミーティングです。そこで生まれたのは、「今のネーミングは素材の説明にはなっているが、伝えたい『休憩』のコンセプトにブリッジできていないのではないか」という本質的な議論。
愛着を持って進めてきた案を白紙に戻すことへの不安もありましたが、「本当にやりたいことは何か」を玉井さんも含めたチーム全員で問い直した結果、その場で「ChottoTime」という新しいネーミングが誕生しました。

また、完成後もパッケージをつくって終わりにするのではなく、玉井さんを招いたSNAPでのリリースイベントやPOPUP販売、二子玉川で開催された大規模イベント「おやつ市場」への出店など、実際に届ける場まで共にデザインしました。「なにこれ、かわいい!」という反応や、なかにはメッセージを伝えた際に思わず涙ぐむお客様の姿もありました。そんな瞬間に、いっしょに立ち会えたのは貴重な経験でした。


SNAPでおこなったPOPUP販売の様子
プロジェクトを経て
コンセプトをどう伝えていくか。販売現場から見えた次の課題
催事販売やポップアップイベントを通じて、「休憩」というメッセージは多くの共感を得ることができました。直接言葉を交わせる場では、ブランドの意図がしっかりと届いている手応えを感じています。
一方で、接客のないパッケージ単体の状態で、この価値をどう伝えていくかという課題も見えてきました。その結果も踏まえて、さらにパッケージのリニューアルを実施しています。
「休憩」というテーマは、ギフトだけでなく、カフェやビジネスシーンなど、より広い文脈とも相性があると考え、今後の展開を検討中です。
プロジェクトの裏話や、玉井さんからの視点は、こちらの対談記事で詳しく語られています。ぜひご覧ください。
