プロジェクトの始まり
メンバー、マネージャーそれぞれへのアプローチが、部の成果を最大化する
renではこれまで、マーケティング部の3課のメンバーを対象に、学びの機会の提供と活躍の後押しを目的に、ブランディングに関する勉強会や企業理解と個人の成長をかけ合わせた研修プログラムを実施してきました。
その中で担当者さんとの話題にあがったのは「メンバーの成長(ボトムアップ)ももちろん大切だけど、部としてさらにパフォーマンスを発揮していくには、マネージャーへのアプローチも重要なのではないか。ひいてはその取り組みがメンバーの成長にもつながっていくのでは」ということ。その後、ディスカッションを経て、マネージャー向けのプログラムの実施が決まりました。
renのアプローチ
それぞれのナラティヴを知り、プログラムを設計する
まずは各マネージャーから見えている景色や抱えている思い、悩みを把握するために、一人ひとり丁寧にヒアリングさせていただきました。その中で見えてきたのは、マネージャー自身もマネジメントのあり方についてもがいているという現状。加えて、他の課のマネージャーやメンバーの人柄、仕事の動きがあまり見えていないということも分かりました。また、マネージャー自身も日々の業務が忙しいため、マネジメントについて学ぶ時間やメンバーと向き合う時間をつくることに苦労しているという声もありました。
そうした状況を踏まえ、renは以下の3つを念頭に半年間のプログラムを設計しました。
①マネージャー同士が気軽に思いや悩みを定期的に共有できる場をつくること(将来的には、そうした関係性が当たり前になり活発な連携が行えるようになること)
②マネジメントの基礎をインプットし共通言語をつくること
③マーケティング部としてのマネジメントの軸をつくり運用できる状態にすること
プログラムの進行にあたっては、月2回、各回1.5時間で設定し、オンラインで実施。細かい部分ですが、プログラム名を「マネージャーの談話室(通称:マネ談)」と名付けることで気軽さや親しみやすさが生まれるように設計しました。毎回の冒頭では、「マネジメントのウィークリーヘッドライン」と題し、各マネージャーが直近起こったマネジメントにまつわる出来事を共有し合う時間を設けることで、お互いの状況を見える化し、支え合える関係性を築くことを意識しました。
「マネジメントポリシー」の策定にあたっては、会社が掲げるMVVを前提に置きながら、メンバーの幸せとマネージャーの幸せの両方を大切にしながら議論を進めていきました。


プロジェクトを経て
メンバーにもフィードバックをもらいながら、マネジメントの探求は続く
各マネージャーが、毎回のディスカッションの中で自身の思いや抱えている不安や悩みを素直にさらけ出し、それに対してフィードバックする姿が心に残っています。
「マネジメントポリシー」の策定にあたっては、それぞれから見るマーケティング部の現状やありたい姿、ありたい姿を叶えるためにマネージャーにできることを出し合ったのですが、各マネージャーが思っていることが実はほぼ同じだったという気づきもありました。マネジメントに関するインプットを行なった直後、すぐに「メンバーとのコミュニケーションの取り方について試してみました!」という報告や、その姿を見て他のマネージャーからは「自分も頑張ろう!と思いました」と気合いを入れるシーンもあり、それぞれのアクションに刺激を受ける様子も印象的でした。
「マネージャーの談話室」の活動を通し、マネージャー同士でマネジメントについて話す会がスタートしたそうです。忙しい中でも、「マネジメントについて話す時間を定期的に設けよう」と動きがあったのは大きな一歩です。
策定した「マネジメントポリシー」の、メンバーへの発表方法についても「マネージャーの談話室」の中で議論したのですが、「メンバーのみんなにちゃんと伝わるだろうか。ちゃんと伝わるためにはどうしたらいいだろう」「運用を応援をしてくれるメンバーがいると嬉しいな」と案を練るマネージャー陣の姿には、胸が熱くなりました。
「マネジメントポリシー」は、定期的にメンバーからフィードバックをもらいながら、ブラッシュアップをしていきます。マネージャーだけでなく、マーケティング部全体としてマネジメントの探求は続きます。



クライアントからのコメント
苦悩やもがいている部分を全て受け止めてくれたrenのメンバー。「マネ談」では自分をさらけ出してとにかく発散させてもらいました(笑)。マネジメントについて共通の課題感を持っていたマネージャー同士だったからこそ、お互いに弱みを出せたし本音で対話ができたように思います。
今回のマネジメントポリシーの策定によって、メンバーとの関係の質が大きく変わってきたと実感することもありますね。時には厳しいフィードバックでも、マネジメントポリシーを理解してくれているからこそ、共感してもらえるし自身のためだと受け止めてくれる。また、課員からも同じようにフィードバックをしてくれる、そんな関係づくりが徐々にではあるが実現してきているのでは、と感じながら取り組み続けています。
(マネージャー:Aさん)
日々、自分が無意識に行っている仕事の進め方や部下との接し方が、マネージャーとして正しいのか間違っているのか、そもそも正解などあるのか、そしてマネージャーとは何をするものなのか――忙しい毎日のなかで考えるべきこれらの問いに集中して向き合えたことで、多くの気づきを得ることができました。
全12回ごとに「これをやってみよう」と決めたことを実践し、マネージャー同士でフィードバックを繰り返した結果、「人が変わってもマーケティング部のマネージャーはこういう人です」という像を形にできました。これは私にとっても組織にとってもかけがえのない成果であり、今後もチーム全員で磨き続けていく大きな礎となりました。
(マネージャー:Bさん)
「マネ談」が始まる際には、よくある「マネージャーのマネジメントとはこういうものですよ」的な研修、講義でもスタートするのかな…と思っていました。しかし、初回はrenから「今の立場(マネージャー)としての思いを吐き出してください」とひたすら質問に答えていくというものでした。様々な悩みを抱えていたなかで、自分の思いを伝えることができてかなりスッキリしたことを覚えております。
renや他の課のマネージャーと、心境や起きたこと、悩みごとなどを話す機会を設けてもらい、「自分だけが悩みを抱えているのではない」ということを共有できた時間は有意義な時間でありました。一人では解決しないものを話し合うこともでき、どのミーティングよりも好きな時間でした。
マネージャーとは実に色々な判断、責任を負う立場であり、プレッシャーもあるもので、孤独な存在だとは思います。だからこそ、一人で仕事をこなしていくのではなく、周りのメンバーとのコミュニケーションを取る大切さを知りました。相談しやすい場づくり、成長の背中の後押し、そして良き旗振り役としてリーダーシップを発揮していけば、よりよい組織をつくることができる。それは、自分の成長や、やりがいを感じながら仕事することに繋がる、と「マネ談」が教えてくれました。
(マネージャー:Cさん)